成田市
一切経堂の中には、八角の回転式経蔵(輪蔵)があります。一切経(大蔵経ともいい仏教聖典の総集)8000余巻、1930冊が収蔵されており、参詣者がこれを1度回転して礼拝すれば、一切経の全部を読誦したと同様の功徳があるといわれています。この経蔵は書棚を八角に作り、中心柱を軸として回転するような構造をもち、八段の棚に経典をぎっしりと収納してあります。書棚の上部は、禅宗様の詰組を施し、屋根は二重の扇棰の八角宝形造、基部には経蔵を支える蔵容の鬼神八体がみられます。またこの経蔵は、禅宗様式を忠実に取り入れ、造立時の姿をそのまま残している境内唯一の建造物といえます。輪転経蔵の建造年代は不明ですが、一切経堂の建立年代の前後であろうと考えられます。
建造物
日本遺産