成田市
仁王門は、1830年に建立された3間1戸の八脚門で、屋根は入母屋造で銅板葺、正面に大きな千鳥破風、正背面に軒唐破風を付けています。この門は木割が太く、両側面の壁には欅の一枚板が用いられていることなど、材料や工法の特色がみられ、組物を三手先詰組とし、軒を扇棰にする点も八脚門としては珍しく、江戸時代末期における好建築の一つに数えられています。門の左右には金剛力士(右)、密迹力士(左)を、門の裏仏には多聞天(右)、広目天(左)が安置されています。また、頭貫上の各柱間には、後藤亀之助の作による「竹林の七賢人と司馬温公瓶破り」の彫刻がみられます。重厚な外観をもち、軒の出の深さが構造材の保護に大変都合よくできている点は、日本の木造建築の構架に当たって、気候、風土を考慮してつくり上げた先人の知恵ということができます。
建造物
日本遺産