成田市
三重塔は、1709年に起工され、1712年に完成した中規模な塔です。心柱の墨書銘から大工棟梁は常州那賀郡羽黒村の瀬左衛門で、1757年、1801年、1858年に修理されたことがわかります。高さ約27mのこの塔は、初重(第1層)の柱や長押に地紋彫を施し、各重の尾棰を竜の彫刻とし、二間の板軒に雲文が浮き彫りされており、極彩色を施すなど華麗な塔です。この塔は、近世の塔としては、全体の均衡もよく、良質であり、江戸時代中期以後にみられる過飾な建物の、早い時期の遺例として貴重なものです。周囲の十六羅漢の彫刻は、無関堂島村円徹の作です。塔内には五智如来が安置されています。なお建立の際には、佐倉城主から成田の並木及び三之宮神社の松17本と将門山(佐倉市)松5本が寄進されています。
建造物
日本遺産